高齢者の方とそのご家族が安心して生活できるように支えたい!
「あの時相談していれば,こんなことにはならなかったはず」という案件を一件でも多く減らすことが,弊事務所の使命です!
弊事務所は遺言書の作成支援,相続手続きの代行を専門にしています。
親族が遠隔地に住んでいる場合,交互に仕事を休み,皆で分担して様々な手続きに取り組む必要があり,手続きが煩雑でなかなか進まず,何度も役所や金融機関に通うことになり,精神的にも肉体的にも疲れているのに,余計に疲弊してしまいます。当事務所では,相続人にあまり負担をかけずに相続手続き等をスムーズに処理することに心がけております。
行政書士として仕事を始め,この分野のご相談やご依頼を専門に受けておりますが,「もっと早い時期にご相談いただいていれば,手続きや親族関係がこんなにも複雑にならなかったはずなのに」という案件が数多く含まれております。こうした経験から,お客様にもっと早い段階で相談していただき,『こんなことにはならなかったはず』という案件を一件でも多く減らし,高齢者の方とそのご家族が安心して生活できるように支えることが弊事務所の使命だと考えております。
今までの経験からすると,少しでも相談したいと思われた時が相談のベストなタイミングだと感じます。それを先延ばしにしてしまうと,切羽詰まってからの相談になってしまうことが多く,選択肢が狭くなってしまうか,最悪の場合何もできないこともあります。そういった状況にならないうちに,どうぞ弊事務所にご相談ください。きっと問題解決の手がかりが得られるはずです。
遺言作成業務
遺言を残すメリット
・自分の意思通りに財産を処分
・自分の死後の紛争を防止
・相続人でない人に財産を与えることができる(遺贈)。
遺言能力
遺言とは、遺言者自身が単独で行うべき行為であり、代理人によることはできず、他の人の同意を要件とすることもできません。
民法は、満15歳に達すれば、未成年・成年被後見人であっても、意思能力さえあれば、単独で遺言ができることにしております(民法916条)。被保佐人や被補助者にも遺言能力は認められています。成年被後見人については、事理を弁別する能力を一時回復した時に、医師2人以上の立会いを要件として、遺言をすることが認められています(民法973条)。
指定相続分
被相続人が遺言で相続財産のすべてまたは一部について相続人それぞれの取り分を指定することができます。法定相続分と指定相続分では指定相続分が優先します。
しかし、他の相続人は最低限の遺留分を侵害された場合は遺留分の請求ができます。
検認手続
遺言書を発見した場合、その遺言書が自筆証書遺言・秘密証書遺言のときは、「遺言書の検認」の手続きが必要です。また、封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人の立会いの下でなければ開封することができません。検認というのは、遺言書の形状や内容を確認し、その後の偽造を防ぐために行われます。
公正証書遺言は、公証役場において確実に保管されていて偽造の危険もないことから、検認手続きは不要です。
遺言書の保管者や遺言書を発見した相続人は、家庭裁判所にその遣言書を提出して「遺言書の検認の申立て」をします。家庭裁判所は、検認調書を作成します。
検認は一種の証拠保全手続きですから、検認を受けたからといってその遺言が「有効」ということではありません。その反対に、検認を受けていないからその遺言が「無効」ということもありません。
遺言の撤回
遺言は,遺言者自身が遺言書を破棄したり,前の遺言を撤回する旨の遺言をすることによって,いつでも自由に遺言の撤回をすることができます。
遺言を取り消したり(撤回),変更しない旨の約束を受遺者としても,それは無効です。
前の遺言と異なる内容の遺言をしたときは,その抵触する部分については後の遺言が優先するため,前の遺言は当然に効力を失うことになります。
遺言の目的物を他人に売却したり贈与することも自由であり,この場合には,処分された限度で遺言が撤回されたものとみなされます。遺言を夫婦が連名で同一の遺言証書に書くような共同遺言は,どのような方式によっても,無効とされています。
遺言の作成意義
なぜ、遺言を作成する必要があるのか?
遺言の必要性がわからない方はたくさんいると思いますが相続手続きの実務を行っていると、遺言がなくてトラブルになるケースが多々あります。相続手続きをトラブルなくスムーズに行う為には、法的に有効な遺言を作ることが望ましいです。
当事務所では基本的には公正証書遺言の作成指導、公証役場での打ち合わせその他、財産確認や当日の公正証書遺言作成の証人等、幅広くサポートさせて頂きます。
遺留分とは?
遺留分制度とは、被相続人が有していた相続財産について、その一定割合の承継を一定の法定相続人に保証する制度です。(民法1028条以下)
この遺留分制度の趣旨は、被相続人に相続財産の処分の自由を認めながら、法定相続人の生活安定も考慮に入れ、両者の調整を図ることにあります。
被相続人の財産処分が遺留分に反したからといって当然に無効になるのではなく、遺留分権利者の遺留分減殺請求があった場合に取消されるに過ぎません。
したがって、遺留分権利者が一定の期間内に請求しなければ、遺留分権利者は消滅してしまうので、注意が必要です。
遺留分減殺請求とは?
遺留分請求権とは、相続人に保証されている遺留分が侵害されている場合、被相続人から遺贈された人や、生前贈与された人に対して侵害された遺留分を返還してくださいと請求できる権利です。
遺留分権利者は誰?
1、兄弟姉妹以外の法定相続人(配偶者、子、直系尊属)
2、子の代襲相続人
3、相続欠格者、相続を排除された者、相続放棄した者は、遺留分権利者となりません。
但し、相続欠格、相続人の廃除の場合は代襲相続人が遺留分権利者となります。
遺留分の割合
1、直系尊属のみが相続人の場合は、相続財産の3分の1に法定相続分を掛けた割合
2、その他の場合は相続財産の2分の1に法定相続分を掛けた割合
遺留分の放棄
1、遺留分放棄の仕方
(1)相続開始前の放棄は、家庭裁判所(被相続人の住所地の裁判所)の許可が必要です。
(2)相続開始後の放棄は、自由に遺留分減殺請求の相手に対する意思表示によりできます。
2、遺留分放棄の効果
(1)遺留分放棄がなされても、他の相続人の遺留分は増えません。
(2)遺留分放棄した相続人も相続権は失いません。したがって、遺産分割協議の当事者となりますし、相続開始後に相続放棄・限定承認しなければ、負債のみ相続する事態も予想され、注意が必要です。
遺留分減殺請求権の行使
1、行使方法
話し合いに応じそうもない相手の場合、まず、内容証明郵便で意思表示したほうがよいかもしれません。意思表示は相手に到達することを要します。相手が内容証明を受領した時点で消滅時効中断します。この点に関し、遺留分減殺の意思表示された内容証明郵便を相手が受け取らず、郵便局での留置期間の経過により差出人に還付された場合でも意思表示の到達を認めた判例もあります。
遺留分の意思が相手に伝わったら、相手と話し合いをして遺留分に相当する財産を分けてもらうことになります。その際、弁護士、行政書士等の専門家に間にはいってもらうと、手続がスムーズに進む場合もあります。さらに、話し合いの内容を書面にしたほうがよろしいでしょう。
もし話し合いがまとまらなかった場合は、裁判所に調停の申立てをすることもできます。
2、減殺請求の意思表示の内容
減殺の目的とされる財産の価格まで示す必要はありませんが、一定の割合を特定する程度には具体的である必要があります。
3、減殺請求権の行使の相手
減殺請求で直接利益を受けた者、その包括承継人、悪意の特定承継人等
4、時効
相続の開始及び減殺すべき贈与及び遺贈があったことを知った時から、1年間これを行わないとき、もしくは、相続開始の時から10年を経過したときは、時効により消滅します。
遺贈とは
遺贈は、遺言者が遺言によって自分の財産を与えることです。内縁関係の妻や孫に財産を与えたいときや、寄付をすることができます。どのような遺贈でもできますが、相続人の遺留分を侵害することはできないので遺留分程度の遺産は法定の相続人に残しておいたよいでしょう。複数の遺言書が発見されたときは、一番新しい遺言書が優先します。
前に書かれた遺言も後に書かれた遺言で触れていない部分は有効です。
包括遺贈
遺産の全部または一定割合を目的物を特定しないで遺贈することを包括遺贈といいます。
たとえば,「遣産の2分の1を長男に与える」というような内容の遣言をすることです。包括受遺者は相続人ではありませんが,相続人と同じようにすべての権利・義務を包括的にその割合に応じて承継しますので,相続人と同一の権利・義務を有するものとされています。
そして,具体的な遺産の取得に際しては,他の相続人または包括受遣者と遺産分割協議をして,受贈財産を特定することになります。
特定遺贈
特定の具体的な財産的利益を対象とする遺贈を,特定遣贈といいます。
この特定遣贈があった場合は,遺贈の効力発生と同時に,当然に受贈者に移転するものとされています。なお,遺贈を受けたくない場合は,遺言者の死後であればいつでも遣贈の放棄ができることになっています。
負担付遺贈
遺言者が,受遺者に一定の給付をなすべき義務を負担させる遣贈を,負担付遺贈といいます。
受遣者は,遺贈された財産を取得するとともに負担を履行する義務を負いますが,その受益者が直接に権利を取得するものではありませんので,負担の履行を請求する権利は,相続人または遺言執行者に限られます。受遺者は,遺贈の目的物の価額を超えない限度において,負担した義務を履行しなければなりません。
遺言の種類
通常作成される遺言(危急時遺言除く)には3種類の遺言があります。
3種類の遺言のメリット・デメリットも考慮し説明させて頂きます。
自筆証書遺言
本人が全て自署し押印して作成する遺言です。
メリット
本人が自署・押印するだけで作成することができるので、お手軽に作成でき費用もほとんど掛かりません。
デメリット
本人の自署により作成される為、法的に有効ではない遺言になる可能性があります。
亡くなった後、遺言が発見されなかったり、発見後の遺言に対し偽造・変造・滅失される虞があります。また、発見後の遺言については家庭裁判所の検認手続きをする必要がでてきます。
※検認手続きとは
遺言を発見した場合、速やかに家庭裁判所に検認の手続きをする必要があります。封印がある遺言の場合、勝手に封を開封することはできません。封をした状態で検認の手続きをしなければなりません。勝手に封を開封した場合、5万円以下の過料に処せられる場合があります。
公正証書遺言
公証役場で公証人によって作成される遺言で、遺言者本人の他、公証人・証人2人の立会いのもと遺言の内容を全て確認して作成し、遺言者本人・公証人・証人2人の署名の自署・押印をして原本と正本と副本を作成致します。
メリット
自筆証書と違い、偽造・変造・滅失の危険性がありません。原本は公証役場に保管される為、紛失しても再発行することができます。法律の専門家である公証人が作成する為、遺言が無効になる危険性がありません。
デメリット
作成までに時間掛かる。公証役場に支払う費用が掛かる。また専門家に依頼するとその費用も掛かります。
秘密証書遺言
公証役場で作成される遺言ですが、内容は自筆証書遺言で作成し内容を確認せず遺言の存在を証明する遺言です。実際は殆ど作られることがありません。
メリット
遺言の内容を誰にも知られることなく秘密にできる。遺言の存在を証明できます。
デメリット
自筆証書と同じく法的に無効になってしまう場合があります。
遺言を作成しておいたほうがいい方
誰にでも必ず相続財産はありますので、争いにならない為には遺言は必要になってきます。下記の項目に1つでも該当する方は争いになる可能性が高いと思いますので、ご確認下さい。
1、子供がいない
子供がいない場合は両親又は兄弟姉妹が相続となります。 特に兄弟姉妹の場合は争うケースがとても多いです。
2、相続人の中で連絡の取っていない方がいる
相続が発生してから連絡する場合、連絡がつかない場合があります。
3、相続人以外の人に財産を譲りたい
相続人以外の方に財産を譲りたい場合、遺言がなければ一切相続する権利はありません。
4、法定相続分の割合でなく相続させたい
特に不動産などがある場合は均等に分割しないことが多い為、遺言が必要になってきます。
5、相続関係が複雑
代襲相続になる場合(例、子供が亡くなっていて孫が相続)
2次相続が発生している場合(例、親も亡くなっていてその相続が終わっていない)
相続人が大人数である。
遺言書は、思いつくまま適当に書けばいいというものではありません。
遺言書は法律で決められた要件を満たさなければならず、その種類と特徴は以下のようになります。特別方式の遺言は、遺言者が普通方式の遺言が出来るようになってから6ヶ月生存した場合は無効となります。
この中で一般的に利用される遺言書の大部分は、普通方式の「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の二つになります。
遺言作成業務
遺言を残すメリット
・自分の意思通りに財産を処分
・自分の死後の紛争を防止
・相続人でない人に財産を与えることができる(遺贈)。
遺言能力
遺言とは、遺言者自身が単独で行うべき行為であり、代理人によることはできず、他の人の同意を要件とすることもできません。
民法は、満15歳に達すれば、未成年・成年被後見人であっても、意思能力さえあれば、単独で遺言ができることにしております(民法916条)。被保佐人や被補助者にも遺言能力は認められています。成年被後見人については、事理を弁別する能力を一時回復した時に、医師2人以上の立会いを要件として、遺言をすることが認められています(民法973条)。
指定相続分
被相続人が遺言で相続財産のすべてまたは一部について相続人それぞれの取り分を指定することができます。法定相続分と指定相続分では指定相続分が優先します。
しかし、他の相続人は最低限の遺留分を侵害された場合は遺留分の請求ができます。
検認手続
遺言書を発見した場合、その遺言書が自筆証書遺言・秘密証書遺言のときは、「遺言書の検認」の手続きが必要です。また、封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人の立会いの下でなければ開封することができません。検認というのは、遺言書の形状や内容を確認し、その後の偽造を防ぐために行われます。
公正証書遺言は、公証役場において確実に保管されていて偽造の危険もないことから、検認手続きは不要です。
遺言書の保管者や遺言書を発見した相続人は、家庭裁判所にその遣言書を提出して「遺言書の検認の申立て」をします。家庭裁判所は、検認調書を作成します。
検認は一種の証拠保全手続きですから、検認を受けたからといってその遺言が「有効」ということではありません。その反対に、検認を受けていないからその遺言が「無効」ということもありません。
遺言の撤回
遺言は,遺言者自身が遺言書を破棄したり,前の遺言を撤回する旨の遺言をすることによって,いつでも自由に遺言の撤回をすることができます。
遺言を取り消したり(撤回),変更しない旨の約束を受遺者としても,それは無効です。
前の遺言と異なる内容の遺言をしたときは,その抵触する部分については後の遺言が優先するため,前の遺言は当然に効力を失うことになります。
遺言の目的物を他人に売却したり贈与することも自由であり,この場合には,処分された限度で遺言が撤回されたものとみなされます。遺言を夫婦が連名で同一の遺言証書に書くような共同遺言は,どのような方式によっても,無効とされています。
遺言の作成意義
なぜ、遺言を作成する必要があるのか?
遺言の必要性がわからない方はたくさんいると思いますが相続手続きの実務を行っていると、遺言がなくてトラブルになるケースが多々あります。相続手続きをトラブルなくスムーズに行う為には、法的に有効な遺言を作ることが望ましいです。
当事務所では基本的には公正証書遺言の作成指導、公証役場での打ち合わせその他、財産確認や当日の公正証書遺言作成の証人等、幅広くサポートさせて頂きます。
遺言書でできること
身分に関する事項
1、認知
認知とは、婚姻していない男女間に生まれた子供を、男性が自分の子供であると認めることをいいます。認知は遺言によってもできるのです(民法781条2項)。但し、遺言によって認知をしても、役所に認知届をしなければ法的効果は生じません。したがって、役所に認知届をするために、遺言執行者が必要となります。遺言執行者は遺言書で定めてもよいし、定めていない場合は利害関係人の請求により、裁判所が選任することになります。なお、認知の対象が成年に達した子である場合はその子の承諾が、出産前の胎児である場合は母親の承諾が、それぞれ必要になります。
2、未成年後見人の指定
「未成年者に対して最後に親権を行うものは、遺言で未成年後見人を指定できる。但し、管理権を有しない者はこの限りではない。親権を行う父母の一方が管理権を有しないときは、他の一方は、前項の規定によって未成年後見人の指定をすることができる」(民法839条)。つまり、未成年の親権者・未成年後見人は自分が死んだ場合に備えて、未成年後見人を指定できるのです。未成年後見人を指定しておけば、遺言書で指定した後見人が直ちに未成年者の世話をしてくれることが期待できます。
3、未成年後見監督人の指定
未成年後見人に何か不都合が生じた場合でも、すぐに対応できるように、未成年後見監督人を指定できます。
相続に関する事項
1、推定相続人の廃除
推定相続人の廃除を遺言書に記載できます。この事項は、遺言執行者による執行行為、裁判所に対する廃除請求の必要があります。なお、生前の推定相続人の廃除は認められる可能性が低く、遺言による推定相続人の廃除はさらに低いと思われます。したがって、遺言で書いても実現の可能性は極めて低いと思われます。
2、推定相続人廃除の取消し
推定相続人の廃除の取消しを遺言書に記載できます。この事項は、遺言執行者による執行行為、裁判所に対する廃除取消し請求の必要があります。請求がなされた場合、裁判所は遺言者の真意に出たものと確認されれば排除取消しの審判をします。
3、相続分の指定及びその委託
遺言書は遺言において、相続人の相続分を指定することができます。また、第三者に相続分の指定の委託をすることができます。しかし、遺留分に反することはできません。相続分指定とは、「妻甲に5分の2、子乙に5分の2、子丙に5分の1」というように指定することです。
4、特別受益の持ち戻しの免除
民法903条に「共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻、養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者がある場合は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前3条の規定によって算定した相続分の中からその贈与又は贈与の価額を控除し、その残額を以ってその者の相続分とする。遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。被相続人が前2項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思表示は、遺留分の関する規定に反しない範囲内で、その効力を有する」と規定されています。すなわち、被相続人が一部の相続人に事前に財産を与えていた場合、遺留分に反しない範囲で他の相続人に返す必要がないように遺言で示すことができるのです。
5、遺産分割方法の指定およびその委託ならびに遺産分割の禁止
法定相続分もしくは指定相続分により共同相続人の各自の相続分が定められても、それはあくまで持分割合であって、具体的に「土地は妻、預金は子供」というように分けるのは、相続人同士の話し合い(遺産分割協議)で行う必要があります。しかし、この遺産分割協議より被相続人の遺言で「土地は子供、預金は妻」と書かれていた場合は、遺言を優先させるということです。また、5年間を限度に遺産分割協議を禁止することができます。被相続人が事業を行っている場合などに、混乱回避のためには有効と思います。
6、遺贈
遺言者は、包括的又は特定の名義でその財産の全部又は一部を、遺留分に反しない限度で処分できるのです。すなわち、「甲土地を乙に遺贈する」「遺産の2分の1を乙に遺贈する」と遺言できるのです。前者を「特定遺贈」後者を「包括遺贈」といいます。遺贈をする相手は、相続人でもいいし、相続人以外の第三者でもかまいません。しかし、遺贈を原因として不動産登記する場合は、相続を原因として登記する場合より登録免許税が多くかかります。したがって、相続人に対して特定財産を与える場合は、「甲土地を相続人乙に相続させる」として、遺産分割の方法を指定したほうがよいでしょう。
遺言執行に関する事項
1、遺言執行者の指定およびその委託
遺言執行者として、弁護士や行政書士を指定することです。遺言の執行に際して、全ての場面で遺言執行者が必要とされるわけではありません。しかし、あらかじめ指定しておくと、スムーズに遺言は執行されるでしょう。
2、遺言執行者の復任権
遺言執行者が、他の者に遺言執行を依頼することができることを明記することです。
3、遺言執行者の報酬
遺言執行者の報酬を定めることができます。
その他の事項
・祖先の祭祀主宰者の指定
・財団法人設立のための寄付行為
・信託の設定
・生命保険の受取人の指定・変更
・遺言の取消し
遺言執行者
遺言者は、遺言で一人又は数人の遺言執行者を指定し、又はその指定を第三者に委託することができます。(民法1006条1項)遺言執行者は自然人に限らず法人でもかまいません。相続人も遺言執行者になれるという見解が多数です。
遺言執行者は、遅滞なく相続財産の目録を作成して、相続人に交付しなくてはいけません。(民法1011条)これは管理処分権の対象や責任範囲を明確にするためのものです。そして遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有します。(民法1012条)これにより、遺言執行者は相続人の実印をもらわなくても、単独で不動産の名義変更をすることができます。
遺言執行者を選ぶメリット
遺言執行は、通常遺言執行者あるいは相続人がします。遺言執行者の記載がないと、不動産を特定の人に遺贈するための登記をには、相続人全員の実印および印鑑証明書が必要となります。そのため、相続人を探す必要があります。戸籍等を収集し、住所を調べ連絡しなければなりません。
遺言執行者がいれば、遺言執行者の実印と印鑑証明書で足ります。これが、遺贈を受けた者にとって、遺言の中に遺言執行者の指定が必要な理由です。
そのほかにも、相続人の廃除や子の認知、遺産分割の際の立会いなど、遺言執行者を選任すると手続がスムーズに運びます。
遺言執行者には、親族や弁護士、行政書士等の専門家を指定することが多いですが、生前に許諾を得ておき、相続に関する費用についてもあらかじめ遺言書に定めておいたほうがよいと思います。